ささ記_December 2015



























12月の扉絵は「芋」。発売中の「食楽」連載の挿絵より




すべての画像、文章の無断転載禁じます
佐々木美穂_miho sasaki







12月26日(土)
晴れて陽ざしが暖かかった。
昨夜は満月でしたね。
宇都宮の千春さんからのメールで、クリスマスに満月だったのは38年ぶりと知りました。
一昨日亮太君が買ってきてくれたローズピンクの薔薇の花、
昼の間、日向に置いておいたら、ふっくらと開いてきました。
今日は午後から銀座へ。
張り替え修理に出していたFOXの傘が出来上がったとのことでそれをとりに行って、
ついでに父へのお土産を買って帰ってきました。

今年のささ記の更新は本日が最後。
10月にPC(5台目)がついに動かなくなり、
niloの更新のために、古いPCを買い続けることを止めるという決断をし、
新しいPCで「ささ記」をブログで引き継いでふた月。
これでいいのだ、と今は思います。

今年は美術館へも映画館へもそんなには行けなかったけど、
見た展示の中でよかったのは、ワシントンナショナルギャラリー展と、
ブリヂストン美術館でのベストオブザベストかな。
ブリヂストン美術館はこの展示を最後に改装に入るため、その空間をしっかりと目にやきつけました。
映画は、ブレッソンの「やさしい女」と小津の「東京物語」をスクリーンで観れたことがやはりよかった。
来年は心待ちにしていたモランディ展が、ついに東京でも見ることができそうです。
4年前に神奈川県立近代美術館に来るはずだった展示と、作品の内容が変わるのかどうかは分かりませんが、
いずれにしろモランディの作品をまとまって見ることができる機会。
楽しみ〜。

今年もniloを覗いて下さりありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎え下さい。
来年もよろしくお願いします。





12月25日(金)
晴れましたが、富士山はみえず。
風も強く寒かった。
お昼、ミワコさんと待ち合わせてuzuraの潤ちゃんのお弁当をいただきました。
潤ちゃんのお弁当は年内今日が最後。
食べ納めが出来てよかった。
今年は潤ちゃん、ミワコさん、私の3人で老舗の懐石料理店に行けたことを
つくづくよかったなぁと思いました。
今月初めのことなのに、もう遠い昔のことのようですが。
お弁当をいただいたあと、ミワコさんと新宿でお茶。
潤ちゃんお勧めの、ホテルのラウンジで。
ゆっくりくつろげました。
窓からスカイツリーが見えて、案外近くなのでびっくり。
それだけ高いということなのでしょうね。
お茶のあとミワコさんと別れて、ダダダと買い物を済ませて帰ってきました。
デジカメもついに新しいのを買いました。
これで来年は「今日の富士山」が復活できそうです。
夜、いつものスーパーに買い物に行くと、棚がすっかりお正月用に変わっていました。
紅白の幕とともに、数の子、かまぼこ、鏡餅、煮豆にだし巻きなどなど、華やかでした。






12月24日(木)
雨かと思いきや、晴れて暖かい1日になりました。
夕方、小唄と三味線のお稽古。
今年最後のお稽古でした。
セツの大先輩H氏ともお会いでき、よいお年をとご挨拶ができてよかった。
夜は亮太君と、いつもよりちょっとだけ豪華な夕食。
亮太君がお休みだったので、6時過ぎからゆっくり食べられてよかった。
(いつもは10時近くから晩御飯なので)
大山君からいただいた赤ワイン、とてもおいしかった!
今年はケーキはなし。
先日買って少しずつ食べていたシュトーレンをケーキの代わりに。
IRISH MALTミルクティとよく合いました。

自転車に乗っていたら、あと3か月もすれば桜が咲くんだと、ふと思いました。
この時期、そういう風に思う瞬間が毎年あります。
冬至が過ぎ、また少しずつ日がのびていくという明るい延長に、
春があるからかもしれません。










12月23日(水)
4時頃から雨が降り出しました。
母からの電話で、ハーゲンダッツを買っておこうと思うけど何がいい?と(笑)。
実家の冷凍庫は「ハーゲンダッツのストロベリーオンリー10個以上常にある状態」でして、
他の味はないの?と聞いたことを覚えていたらしい。
何味もいらないと答える。
昨日はお餅のお礼で電話したとき、
「帰った日の夜は、蟹を買っておこうか」と聞かれ、少し心が動いたけれど、
これもいらないですと答える。
あいかわらず、かわいげのない娘です。
亮太君も一緒だったら、アイスも蟹もお願いしますと答えると思うのだけど、
亮太君は東京に残るのでいいかなと。




12月22日(火)
よく晴れて、今日も月がきれいでした。
午前中、母からお餅が届きました。
午後、早速土器さんと眸さんのところへお持ちしました。
ふた箱を風呂敷に包んで持って歩くと、腕にずっしりとくるのですが、嬉しい気持ちのほうが大きい。
とっても喜んで下さるので。
まず土器さんにお渡ししてから、前川さんの展示をゆっくり見せてもらいました。
土器さんが好きな表情の作品も教えてもらいました。
そしてZakkaへ。
お店に入ると、知り合いの方がいました。
その方に風呂敷包みを抱えて来た姿が、昭和っぽかったと言われました(いい意味で言って下さったみたい)。
「古い映画ばかりみてるからじゃない?」とすかさず眸さん。
昭和っぽいと言えば、今朝亮太君が、ワイヤーのハンガーのことを、「衣紋掛」と言ったので、
衣紋掛って・・・と笑った話を眸さんたちにもしました。
お餅をお渡ししたあと、お茶をいただきながら、
お餅はどうやって食べるのが好きかという話などしながら、ゆっくりさせてもらいました。
わたくし、今日すでに2つ食べました。
お餅を食べながら、今年もこうして無事に年の瀬を迎えられてよかったと思う。







12月21日(月)
くもりがちの天気でしたが、思ったほど気温は低くはなかった。
夕方小唄と三味線のお稽古。
どこかへ出かける時、たいがい電車の中でお稽古時に録音した自分の唄を聴いています。
一音、一音、先生が丁寧に直してくださっていて、
大人になってから、これだけしつこく誰かに間違いを正されることってないので、
これってすごいことだと先日、ふと気がつきました。
直してくださる時の先生の言い回しがまた粋で、正されることがうれしかったりして。
今日、私の前にお稽古をつけてもらっていた八重さんはお着物でした。
背の帯の柄をよく見たら、足がにょきっと出ていて、
こちらを向いたら、前は手が出ていました。
かっこよかった。
年末まで忙しいようで、何よりと思いました。




12月20日(日)
いいお天気。昼間から空に月。
「冷蔵庫の下の掃除日和」だったので冷蔵庫を動かして掃除。
すっきり〜。
午後は智子さんと白金高輪の駅で待ち合わせてYAECAへ連れていってもらいました。
初めて行きましたが素敵な空間で、ときめきました。
お菓子の焼ける匂いが店内に漂っていて、平和な感じがしました。
そのあと、さる山へ。
智子さんに史朗さんの展示をみてもらえてよかった。
さる山での2008年の史朗さんの展示のDMに、亮太君が文章を寄せていて、
久しぶりに読み返してみたくて探したのだけど見つからなかったので、
猿山さんにお願いして1枚いただきました。
当時は亮太君のことは顔見知り程度だったのですが、
その文章を読んで、おっ、と一目置くようになったのでした。
最後の一文、
「濱中史朗とは、「陶芸」なるあまりに有機的な香りを帯びた
人間的な営みのもたらす「癒し」などからは遠く隔たった、
癒しがたい残酷の、この上もなく美しい当惑と魅惑の名であるだろう」
で締めくくられているなんて、かっこよすぎませんか。
さる山をあとにして、智子さんとお茶をしながら、亮太君の話などしました。
私の今年の前半は智子さん夫妻の肖像画を描くことにたくさん費やしました。
振り返ってみれば、とても充実した時間で、いい勉強をさせてもらったと感謝してます。










12月19日(土)
今日も富士山。わりと1日中見えていました。
お風呂掃除日和ということにして、午後天井と壁をカビハイターで掃除。
明日は冷蔵庫の下の掃除日和にしよう。
昨日、亮太君のお友達の大山君より、今年もクリスマスプレゼントで、赤ワインが届きました。
昨年は赤地に真っ赤な薔薇がぎっしりの高島屋の包装紙でしたが、
今日のスキ帖16の25/dec/2014
今年は白地に金色の星が散らばっていて、白地をよーく見るとやはり薔薇模様の
高島屋クリスマスヴァージョン。素敵でした。
クリスマスにいただこうと思います。
亮太君情報によると、大山君の本(哲学の)が来年出版されるらしいです。
また出たら「ささ記」でもお知らせしたいと思います。
いただきものといえば、先日孝子姫よりいただいた白ようかんがとてもおいしい!
上品とはまさにこのことか。姫からいただいたからいっそそう思うのかもしれない。
毎日少しずついただいてます。
12月は体重を減らすことは、あきらめました。





12月18日(金)
晴れましたが気温がぐっと下がり、冬の空気。
朝は富士山が夜は月がくっきりと見えました。
お昼、神保町シアターへ。
「ふんどし医者」(1960年製作)を観ました。
森繁と原節子が夫婦役の、幕末から明治の初めにかけてのお話。
チラシに原節子が博打好きの妻とあったので、どんな妻かしらと思いましたが、
なるほど〜という描かれ方でなるほど〜と。
「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」というのがありますが、
映画ではその大井川が運命を決めるような役割をしていました。
見られてよかった。
映画のあとは、1軒古本屋さんを覗いてから表参道へ移動してZakkaへ。
お店に入ってすぐ、なつかしいお顔が。
冴子さんがお店にいらした時に松山のドノバンで働いていたふたりで、
当時はかわいい女の子でしたが、今はふたりともすごく素敵な大人の女性になっていました。
実は今日、やはり当時のドノバンにいらした方に、ポストカードを発送したばかりでびっくりしましたが、
冴子さんのおかげだなと思いました。
Zakkaでゆっくりお茶をして、ほっとして帰ってきました。
そういえばお茶をしながら、Zakkaの佐藤さんに
「今日は映画見てきたんだ」って言ったら、
「スターウォーズじゃないですよね」とさらっと聞いてくるところが、彼女の面白さ。
そんなわれわれの話をおかしそうに聞いている眸さんでした。





12月17日(木)
曇り。
お休みの亮太君は図書館へ。
明日から、静岡のfigsさんでは、藤原さんのルームシューズ展が始まります。
今回のDMのルームシューズもかっこいい。
figsはZakkaOG村瀬さんのお店です。
牧内さんと同じ時期にZakkaで働いていました。
私が2代目で、藤原さんが3代目、そのあとが村瀬さん、牧内さん。
4代目、5代目のふたりの時、Zakkaにカフェができたのでした。
1997年のこと。
私は当時フィレンツェにいて、北出さんと眸さんからfaxをもらって、
カフェのことで、faxのやりとりをしたことをとてもよく覚えています。
当時カフェメニューにあったGプレート、おいしかったなぁ。
と、話がそれてしまいましたが、お近くの方はぜひ、足をお運びください。
figs






12月16日(水)
1日中暖かく、夜風が気持ちいいと思える12月って。。
昨日買った紅茶を朝食の時に早速いれて飲んだのですが、朝ではなかった(笑)。
午後から夕方にかけて飲むのが合ってるなと。

午後、ワタナベさんと神保町で待ち合わせて、
岩波ホールでやっているピロスマニの映画をみました。
セリフとして2度出てきた「タマラ王女のお墓のある、昼だけの国」、
ピロスマニは夜のないその場所に憧れていたのだろうか。
映画の中のグルジアのレストランは、どこも真っ白なテーブルクロスがかかっていて、
そこが物悲しく感じました。
でも暗いようでいて、喜劇を見ているようなおかしみもあり、
グルジアという国とその時代(20世紀初め)に生きていた画家の空気感が魅力的でした。
映画のあと、軽くご飯を食べ(軽くのつもりががっつりになってしまったのですが)、
別の場所でお茶をしながら、ワタナベさんとおしゃべりをして帰ってきました。
彼女とこの前会ったのは1月で、その時は新宿御苑を散歩したのでした。
あれから1年近くも経っていてびっくり。来年はもうちょっと会えるといいなと思いました。
私と会う前に、わざわざペリカンに寄ってくれて、角食とロールパンをお土産に下さいました。
明日の朝はペリカンのパン!
きゃ〜。






12月15日(火)
本日も曇り。でも気温が高めで暖かかった。
夕方、絵の受け渡しで新宿へ。
来年2月だったか?発売予定の、石井好子さんの「人生はこよなく、美しく」の文庫版の
カバーの絵を描きました。
既刊の石井好子さんのご本、
「バタをひとさじ、玉子を3コ」「私の小さなたからもの」も、
単行本と文庫本の表紙(カバーも)を描いております。
この2冊は単行本のカバーをはずして出てくる表紙のコラージュの雰囲気で、
文庫版のカバーも制作していました。
今回の「人生はこよなく、美しく」の文庫版はコラージュではなく絵でいこうということになり、
単行本の時とは印象ががらりと変わりました。
また発売の頃、お知らせいたします。

編集の真実子さんに絵をお渡ししたあと、ふ〜終わった〜と開放感から、
伊勢丹の食品売り場と5階をぶらぶらと散策いたしました。
5階で、なにやら見覚えのある紅茶に遭遇。
春に彩さんのおうちでお花見を兼ねたアフタヌーンティーの時にいただいて、
とてもおいしかったロンネフェルトの「IRISH MALT」TEA!
今日まで出店中とのこと。
いろんな種類がありましたが、迷わずIRISH MALTを買いました。
うれしい。
うれしいといえば、午前中敏腕ライターO女史よりプレゼントが届きました。
彼女からはおいしいものを時々いただくのですが、
梱包も毎回素晴らしく、開けるところからわくわくなのです。
本日も実においしそうなブツが。
おほほ。






12月14日(月)
曇りの月曜日。
夕方、小唄と三味線のお稽古。
2月に延期になったおさらい会の唄と糸(三味線)がようやくなんとなく決まる。
糸は「せかれ」になりそう。
替手を八重さんがやってくれることになり、お稽古に見える八重さんを待って、
2回ほど一緒に弾いてもらいました。
替手が入ると唄の印象がいっそ華やかになり、素敵でした。




12月13日(日)
雨の日曜日。
叔父からお歳暮が届く。
お中元とお歳暮と称して年に2回、越前そばセットが届きます。
からみ大根までついているんです。
おいしいんです。

ずっと描いてる絵が今日も進まず。
著者の色香が絵にない。
数日前、絵の中のグレーのテーブルクロスをみて、
「コンクリートみたい」と亮太君に言われて、立ち直れてません。
なんてね、言ってもらえて感謝してます。









12月12日(土)
天気予報が変わり、思いがけずよいお天気の土曜日。
本日から「さる山」では濱中史朗さんの展示が始まりました。
萩から、孝子姫(史朗さんの妹)もタイミングよく上京していたので、
11時に表参道で待ち合わせして、buikへ。
何度もniloで書いたことがあるのですが、孝子姫とは、フィレンツェに住んでいた時、
通っていたイタリア語学校で同じクラスでした。
当時もう25歳だった姫ですが、初めてのひとり暮らしがいきなり外国で、
とても心細そうで、この方をお守りせねばと、ばあや心がむくむく芽生え(笑)、
せっかくのイタリア滞在を共に楽しく過ごそうと、あちこち誘っては出かけておりました。
彼女はまさに姫と呼ぶのがぴったりの人。
姫といっても私が友達から呼ばれるわがままなほうの姫ではなく(笑)、
箱入り娘のような清らかさが由縁。
いつだったか、お茶の席での着物姿をみた時、その内面から滲み出る、
奥ゆかしい美しさにうっとりしてしまいました。
buikではふたりともキッシュのランチをいただきました。
今週のキッシュ、私個人的に今まで食べたbuikのキッシュで一番好きでした!
姫もご満悦の様子で何より。
そのあと、ふたりでさる山へ。
お店が開いてすぐでしたが、店内はすでに史朗さんの器を好きな方たちが、真剣に選んでいました。
私も真剣に選びました。
5時に亮太君とまた、さる山で待ち合わせていたので、姫を途中までお送りしてから一旦家に戻りました。
再び夕方伺ったとき、ゆっくり作品を拝見しました。
さる山での展示は今年で9回目になるのだそう。
年に1度、この時期に行われる展示を心待ちにしている人もたくさんいると思いますが、
亮太君と私もそのうちのひとり。
今年の展示も言うまでもなく素晴らしかったのですが、感想はもう少し考えがまとまってから。
毎年史朗さんの器が少しずつ増え、使うほどその魅力が増すうれしさよ。
夜は孝子姫も合流して、猿山さん、山本さん、史朗さん、志帆さん、亮太君、私の7人で甚六へ。
亮太君は史朗さんの展示初日を1年の中で一番楽しみにしているので、
史朗さんや猿山さんと話をしながらお酒が飲めて、すごーくうれしそうにしていました。
展示は20日まで。
ぜひ、足をお運びください。




12月11日(金)
朝のうち残っていた雨も午前中にはやみ、やんだと同時に風が吹き荒れ、
太陽が出て気温も上がり、夏日になったところもあったらしい。
夕方の光と空はダイナミックな夕暮れでした。
夜は「食楽」編集長N女史と前食楽編集長で現「おとなの週末」編集長のK氏と、
ル・キャバレにて会食。
(ル・キャバレの坪田さんは、食楽にて、私と同じ巻頭ページで連載されています)
食に関する雑誌に長年携わっているおふたりとの食事は楽しい上にとても勉強になりました。
たとえば、今日いただいた料理のひと皿「春菊と柿のサラダ」には、
上に細かい角切りの生姜がのっていました。
私はといえば、生姜との組み合わせが新鮮で、酸味もいい具合なので、
この酸味はワインビネガーなのかな〜というぐらいしかわからなかったのですが、
N女史は「多分これはレモンだけの酸味だと思います」と。
そしてK氏は「コラトゥーラ(イタリアの魚醤)が使われてますね」。
お店の方に聞くとやはりコラトゥーラが隠し味で使われてるとのこと。
ひと皿ひと皿を真剣に味わい、ワインもたくさん飲むおふたりについつられて、
いつもよりたくさん飲み、たくさん食べて、おなかがはちきれそうでした。






12月10日(木)
夜から雨になりました。
読みかけのある文章から、土地とご先祖様のことを考えながら眠りにつく数日。

福井のうちは、家の真ん中(中心)に仏間があって、大きな仏壇があります。
仏壇の扉はずっと開いているので、家全体が見守られている感じがある。
炊きたてのご飯はまずお仏壇に供え、いただきもののお菓子もまずはお仏壇に。
東京から帰ると「ただいま帰りました」と、お仏壇の前に座って挨拶をします。
お仏壇は、ご先祖様のいる場所なので。
(お墓の中に私はいませんよ〜という唄がありましたけど)。
祖父がお経の読み方を教えてくれたので、ご先祖様たちの祥月命日や月命日には、
祖父の隣に座って一緒にお経を唱えておりました。
その時間は会ったこともないご先祖様と交流しているような気持ちがしました。
祖父の両親が今の土地に住み、家の歴史を作ってきました。
祖父も祖母も亡くなってから30年以上経ち、すっかりご先祖様の仲間入りですが、
家に帰ると、今も一緒に暮らしているような気がします。
以前祖母がテレビを見ていた部屋で、今は父がテレビを見ている。
その姿に祖母の姿が重なります。
土地や家にはそれぞれに長い時間かけて作られてきた歴史があるのです。
ダムに沈んだ村、津波で流されてしまった町、
そこにずっと住んでいた人たちが、土地を離れなくてはならなくなった時、
ご先祖様に申し訳ないと思う、そういう気持ちは自分の中にも確実にある。
ただ文章の中には、ご先祖様のことを思う時間と同じだけ、何代も先の未来のこと、
ずっと先の未来に生きている人たちのことも考えるという時間軸のことも書かれていて、
はっとしました。





12月9日(水)
い〜いお天気で夕焼けもきれいでした。
晴れてるからと薄いコートで出かけたら思いの外気温が低くて寒かった。
お昼は潤ちゃんのお弁当。
昨日いただいた洋梨も少しだけお福分け。
今日のお弁当もおいしかった!
里芋のサラダは塩昆布と梅肉で和えてあり、
メインのお肉は九条ネギとぶた肉の塩麹炒め、
それと菜花のからし和え、ニンジンのサラダ、ゆで卵、ブロッコリーにプチトマト。
安定の色どり。
お弁当をいただいたあと、イエンセンに寄って、あの人とあの人に贈る、
冬限定のおいしいやつを買う。
何年か前にミワコさんからいただいて以来、あまりにおいしくて、
冬になると必ず買って、まわりの友達に渡しておりしてます。






12月8日(火)
亮太君のおうちからお歳暮で山形のラフランスが届く。
お歳暮って、、、逆じゃね?
と思いつつもありがたく頂戴する。
食べごろまでにはまだ少しあるようなので、楽しみに待つとします。

夜は福田君の本「きょうの花活け」の打ち上げでした。
外苑前のお店にて(「つるとはな」2号目の表紙になった方のお店)。
著者の福田君、奥さんののりこさん(中のカットを彼女が描いてます)、
デザイナーの井上さん、井上さんのアシストをされている妹さん、
編集の十川さん、わたくしの6名。
福田君が井上組と呼んでいましたが、まさしく井上さんがみんなを上手に引っ張っていって出来た本でした。
おいしいねと言いながら料理をいただきつつも、
途中組長に福田君があることでダメだしされているのを、
のりこさんがうれしそうに見ていたのが面白かった。
福田君のガツガツしてなさが、鎌倉生まれで一人っ子のせいなのかどうかは知らないけど、
そういうところが好きなのです。

きょうの花活け、とてもいい本です。
こちらから
ガツガツ

井上さんのサイト
福田君のインスタ



12月7日(月)
今朝はぼんやり富士山でした。
夕方から小唄と三味線のお稽古。
前にも「ささ記」で書いたことがあるのですが、youtubeでいとうせいこうさんが、
何かの会に出演された時に唄われている映像がみられるので、ときどき見ております。
「満月や」と「花の雲」。
何度も見ているので、今は端正なお顔と、唇の形がとても美しいという所ばかり見てしまいます。うふ。
https://www.youtube.com/watch?v=9UcDONWvo44

唄といえば、小津映画の何本かの映画の中で披露している、笠智衆さんの唄がとても好きです。
「彼岸花」の詩吟もとても胸に響きます。
うまい具合にyoutubeにちょうどその場面だけが上がっていました。
https://www.youtube.com/watch?v=F0ikQUQKos4





12月6日(日)
朝見えた富士山、シャーベットのようでした。
冬の時期に何度か見るこの富士山。気持ちがすーっとします。
雲が多くなって、洗濯物は乾ききらないまま中に入れて部屋干し。
絵を描いていると、絵の具が乾くまでと休憩ばかりとりながら、
気がつけば家にある甘いものを食べつくしている。。。恐ろしい。
さて夕飯の買い物に行かねば。







12月5日(土)
風もなく、青い空に色づいたイチョウの葉が眩しいほど。
あ〜、終わってしまった。
本日、ひと月前から心待ちにしていた食事会でした。
ミワコさんと潤ちゃんとわたくし3人で、いつか行ってみたかった懐石料理店Tでお昼をいただきました。
年齢的には十分大人の我々ですが、大人になったんだなという、晴れがましいような気持ちがしました。
ちょうどよい明るさ(暗さというのか)の個室には、魯山人の書、どなたが描いたのか聞きそびれてしまいましたが、
美しい色のキノコ(多分)の絵の軸、活けてある花などなど、心配りがひとつひとつ丁寧でシックでした。
お料理、すべておいしかった。器との兼合いも素敵で、目も喜んでいました。
お出汁の味がつくづくおいしくて、和食っていいねと3人が何度も言っていました。
気のおけない友達とおいしい料理をいただき、身体も気持ちも自然に緩んでいく時間でした。
おいしい和菓子とお抹茶までいただいたのですが、
お店を出たあと、近くの紀尾井町バカナルでお茶をしながら、話にもう少し花を咲かせました。
今夜は、伺ったお店の先代が書かれた本を読みながら、余韻を味わって寝るとします。




12月4日(金)
風は冷たかったけど、よく晴れて空は真っ青でした。
11時前に千春さんと待ち合わせ。
うちの近くまで来てもらって、お気に入りの散歩コースをご案内。
大学の表門から入って裏口へ抜け、公園へと向かいました。
古い校舎がまだ残っている大学の敷地内は、時が止まっているようで、
この建物の中に自分のアトリエがあったらどんなに素敵だろうと、
いつも妄想してしまいます。
公園は洋館の前のベンチ(特等席です)に座って、暖かい陽ざしを浴びながら、
会わなかった間のことを聞きました。
待ち合わせ場所に向かう前にベーグル屋さんで買った焼きたてのベーグルと、
セブンイレブンのホットコーヒーを食べつつ飲みつつ。
千春さんは私と同い年。
お子さんがふたりいて、上のお兄さんは高校生で、下の妹さんは中学生。
ひとりでふらりと東京に来たのは17年ぶりだそう。
1年半ほど体調を崩していて、ここ1年余りでようやく元気になって、
こうして今日東京で会えたこと、ほんとうによかった。
12時過ぎまでおしゃべりして駅まで送り、千春さんはこれからZakkaに行くとうれしそうでした。
家に戻ってから夕方まで絵を描き、暗くなり始めた頃、新宿へ出て、
いくつか用事を済ませて戻ってきました。
夜の空気はさすがに寒かった。
今日は1日が長く感じられました。





12月3日(木)
お昼過ぎまで雨。今日は1歩も外に出ていない。
お休みの亮太君は体調がいまいちとのことで、図書館には行かず、1日家でゆっくりしていました。
さっきすっかり元気になったと起きてきたので、夕飯の買い物のメモを渡して、買ってきてもらうことにする。
昨日、宇都宮の千春さんから葉書の速達が来ました。彼女らしい。
そもそも彼女がいなかったら、18番の凡子ちゃんとのご縁もなかったかもしれない。
私がZakkaにいた時に千春さんと知り合いました。
お客さんでいらしていて、ある日、唐突に(笑)パリのお土産をいただいたのです。
その時初めてたくさん話し、少しずつ親しくなり、
いつぞやは藤原さんと一緒に宇都宮の千春さんのおうちに泊めていただいたこともありました。
みんながまだ20代の頃のこと。凡子ちゃんも一緒で、彼女はまだ10代だったかな。
そして翌日千春さんの車で黒磯のshozoさんに連れていってもらったり。
途中寄った、足利あたりの喫茶店もとても素敵だったことを思い出しました。
明日はピーカンの晴マーク。
明日少しの時間だけど会えそうなので、今から楽しみ。






12月2日(水)
6時頃から雨が降り出しました。
午後、原宿でひとつ用事を済ませたあとZakkaへ。
月に何度行ってるんだっていうくらい行ってます(笑)。
眸さんがいれてくれたおいしいカプチーノを飲みながら、いろいろ話をしました。
Zakkaに行って眸さんの顔を見て、ちょこちょこっと話していると、
時には自分の考えを反省したり、時にはそれでよかったんだと思えたり、
あらたまって相談をするわけではないけれど、眸さんのさりげない言葉がとても心に残ります。
Zakkaは今、小野哲平さんと広川絵麻さんの器が充実していましたyo。





12月1日(火)
今日から12月。
東京は今日も晴れて暖かい1日に。
今日の「今日のスキ帖」に載せた画像はローマのバビントンティールーム。
かつて新宿伊勢丹にあったバビントンのことを思い出すたび、撤退してしまったことをとても残念に思います。
買い物が目的というより、バビントンでお茶をするのが目的で伊勢丹に行ってたような。
ローマのバビントンに行った時、伊勢丹のバビントンが忠実にこの空間を再現していたことに驚き、ちょっと感動しました。
でもさっきローマバビントンを検索してみたら、店内はずいぶん変わってしまっているようでした。。。
もしもまた日本でバビントンが復活されるなら、昔の空間がいいな。
この前、銀座のWESTで村瀬さんにも話していたのですが、WESTの原宿店が好きでした。
パレフランスの地下にひっそりあった感じが。
1階にバカナルができてからは、バカナルに行くことも増えましたが、
WESTの魅力が、足を地下に向かわせていました。
やがてパレフランスのビルごとなくなってしまいましたが。
お店はなくなっても、こうして記憶の中によき想い出として、その空間や時間がいつまでも残るのですな。



what's newページの画像を追加いたしました。